~だから少女は幻想の国で永遠の幸せを探した~ これがこの映画のキャッチコピーですが、正にその通り。 人には何故、物語が必要なのか…という悲しく残酷な映画です。 スペイン内戦下に父を亡くし、 母の再婚相手の独裁主義の大尉と暮らす女の子のおはなし。 この映画には「本当に悪い人」というのはいない気がします。 オフェリアの義父でさえ、極悪…なんだけど何故か「悲しい人」という印象。 オフェリアは食べるのに困っているわけではないし まわりの人にすごく酷いことをされるわけでもない。 独裁政権下では恵まれている方でしょう。 でも、押しつぶされそうな悲しみや絶望はひしひしと伝わってきます。 登場人物全員が、悲しみと絶望を背負っている。 戦争というものがすべてに影を落としてしまったのでしょう。 ダーク・ファンタジーというけれど、本当にダークで 物語の重さ、残酷な描写に打ちのめされました。 無邪気で賢いオフェリアが、現実から逃げるために夢を追って頑張る姿、 本当に可愛らしく、そして悲しいです。 オフェリアが欲しかったものは 「お母さんの子守歌」みたいな小さなものだったのにね。 ラストについては私は「悲しい終わり」という印象です。 でも、これは悲劇なんだけど、夢を見る才能があったオフェリアは ほんの一瞬だけどしあわせだったはず、と信じたい。 ↑の画像はチラシなんですが このオフェリアの姿は泣けてきますネ。。。 ポスターなどの印象よりも遙かに重くて残酷な映画ですが、傑作だと思います。 おすすめです。 アトリエカラシ
by mmiizzz
| 2007-11-13 01:00
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